乳酸

“乳酸”という言葉をよく耳にするようになりましたが、一体どのようなものなのでしょう。
私たちの身体に「疲労」が感じられる仕組みや、筋力や筋肉痛にもとても関係が深いものなのです。
乳酸について紹介しましょう。

乳酸とは?

科学的な面から見ると「脂肪族ヒドロキシ酸」のひとつに分類される水溶性の有機化合物です。他にはグリコール酸やグリセリン酸、クエン酸などが脂肪族ヒドロキシ酸に含まれています。
私たちの身体の中で乳酸がどんな働きをしているのか解説します。

乳酸について

運動をする(筋肉を動かす)時に、蓄積されていた糖分(グルコース)が分解されると同時に乳酸も作り出されます。これが体内に溜まる事で筋肉のpH値が酸性になってしまい、筋肉の動作を邪魔したり、疲労が感じられるものだと信じられていました。

ですが、近年の研究では乳酸イコール疲労を感じさせる物質という事ではなく、LT(乳酸閾値)と呼ばれる乳酸を分解する限界値を超えたときに、疲労を感じたり筋肉の動作を妨げる働きがあるという研究がなされ、

つまり、ある程度までは乳酸がまたグリコーゲンに分解されて、エネルギー資源としてリサイクルされているという説もあるようです。

乳酸の特徴

乳酸が作り出されるときに、酸素を必要としなく、主に無酸素運動時に産出される事が特徴と言えるでしょう。また、血中の乳酸量を測ることで逆にどのくらいの負荷の運動か(運動強度)を決めるのにも役立っています。

また、似たような名前でも“乳酸菌”とは全く違うもので、これはヨーグルトや漬物などの発酵食品をつくる際に用いられるものです。

乳酸の処理能力を高める方法

乳酸がたまる→疲れを感じる、とされているので、負荷の高い運動をする→すぐ休む、という運動を続ける事によって乳酸の処理能力が上がるといわれています。同時に瞬発力も高まり、疲れにくい体をつくるために行われているようです。

乳酸の役割

乳酸は実は疲労を感じさせているのではなく、疲労を解消しようとする働きがあるのではないかと言われています。少し古い研究でわかっていたのが、“運動をした後に血液中に増えているのが乳酸”という事だけでした。

この乳酸が実際に疲労を感じさせる原因となっているかどうかがわかった訳ではなかったのです。

ところがこの事実から勝手に“疲労の原因は乳酸だ”という風説が一人歩きをして“乳酸は疲労を感じさせる物質だ”としての認識が広まってしまったのです。

本当は今でも乳酸が直接疲労を感じさせる原因となっているかどうかは、わかっていません。

乳酸の「酸化」

乳酸は分泌された後、一部は糖にまた戻されることがわかっていますが、他には二酸化炭素にも分解されると言われています。

まず、LDH(乳酸脱水素酵素)の働きによってピルビン酸に変換されます。その状態からミトコンドリアによって酸化されて二酸化炭素になり、完全に消費されるというメカニズムです。

この酸化を助ける働きがあるのがクエン酸で、運動の前後などに飲むと良いとされているのは乳酸の酸化を助けるという理由からなのです。

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